日本での万年筆の成り立ち(5)

万年筆輸入以前の日本は墨で書いていました。ものを記す上でそれが後世へ
残らなければならなかったわけで、墨が選ばれていたのです。

ヨーロッパで発明されたインキも(古い時代も含めて)文書を記録として残すために
永久不変が重視されていました。タンニン酸と第一鉄を混ぜた酸性インキです。

その性質は時間の経過とともに酸化する段階で色は青から黒に近くなり、
水に溶けず安定した物質に変化するものです。(ブルーブラックの語源です。)

このようなブルーブラックインキが英国、ドイツより万年筆と共に日本へ伝わり、
日本の墨の文化と考えが一致して受け入れられたのです。

ですので、昔はインキといえばブルーブラックが主流でした。